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070120 素敵な隣人 [研究室]

人には誰でも腹の立つことがある。 
金曜日の朝にそんな事があって、むっとしながら実験をしていた。 

私の隣の実験台を使っているエマは、実に色んなことに気がつく人で、何も言わないけれど、いつもとちょっと違う私の様子が分かるのか、気を使ってあれこれと話しかけてくれる。 
エマは、とても頭が良く(MetroやBoston Globeではなく、毎日、Wall Street Journalを片手に通勤してくる)、長ーい足で、いつも素敵な格好をしている。 そう服装にも気をつけている。 1度、真新しいシャツの糊付けが強すぎて、襟が首に擦れると痛いらしく、シャツの襟を根元から折り曲げて着なければいけなかった時には、
「ねえねえ、見て、ほら、首が赤くなってるでしょう。 これ新しいシャツなんだけど、糊が強くてさぁ。 それで今日だけこんな風に着ているんだけど、これがなんと言うのかな、ニュースタイルってことで」と、わざわざそんな格好をしなければならない自分を弁解していた。 
1度、エマに、
「エマって映画俳優の誰かに似ているよね、えっと誰だっけ・・・ほら、フランス人の・・・」と言ったら、目を輝かせて、「本当?!」と喜んでいたけれど、
「あ、そうそう、ジャン・レノ!」
・・・それはかなり!エマ的に気に入らなかったみたいで、「オーケー、これから映画俳優に似ていると口にしても、お願いだからそこまでで止めて置いてくれ」と、落ち込ませてしまった。

ところでエマは、ウィットに富んだとてもエレガントな話題展開をするけれど、残念ながら、早口な上にイタリア訛りが強い。 
・・・・・・実は私は、半分ぐらいは何を言っているのか、聞き取れない・・・。

そんなわけで、金曜日も、エマには曖昧に相槌を打って切り上げ、こんな時に相談できるのは、ルーシー。 仕事が一段落ついたときに、彼女とコーヒーを飲みに行った。 ルーシーはカナダからやって来た中国人のポスドク。 ゆっくりとしゃべってくれるし、考え深くて、前向きで、仕事のバックグランドも近いので色々と相談できる。 コーヒーを片手におしゃべりしていたら、いつの間にか話が反れて研究室での英語生活の苦労とか、そんな話題になった。 
「そういえば、エマって早口でイタリアのアクセントが強いから、実は、私、彼が何を言っているのか分からないことが結構多いのよ。」 と、ルーシー。
やっぱり! 英語圏生活7年目のルーシーもそうなら、私がエマの話を聞き取れなくても当然! と急に何だか妙に明るい気持ちになった。 

実験室に戻ってみると、金曜夕方恒例のハッピーアワーに突入していた。 初回に比べて随分改善されて、今では、チーズ、手羽先、それに本当にビールやワインも出る。 
夜、ほろ酔い気分で実験の続きをしていたら、エマが、「何か音楽かけようか? 今日はフミカの好きなの何でも選んでいいよー」 と、彼のPCのミュージックライブラリーを見せてくれた。 ロックからジャズまで何でもある、さすが。 そして、向かいの実験台のエリーザをからかって、私を笑わせてくれようとする。 
いまだ若干のLost in Translationがあるもののエマはとにかく素敵な隣人なのでした。 
  
  そんな実験室からの眺め
  


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ヒロン

仕事に限らず暮らしているといろんなことがあるものね、お疲れさまでした!
そんな中で気遣ってくれる同僚さんがいて本当に良かった^^
そういうわたしはラボ時代、fumikaさんにずいぶん助けてもらったよ〜!

そちらでの生活も残り少なくなったと思うけど、体に気をつけてしっかり楽しんでね♪♪
(エマさん的にはジャン・レノ似はダメだったのね、笑)
by ヒロン (2007-01-22 09:44) 

Fumika

ヒロン、こちらこそお世話になっていまーす。・・・いつも相談にのってくれてありがとう!^^。 
ジャン・レノは、多大なるショックを与えたみたいで、その後、私も決して口にしないようにしています。
by Fumika (2007-01-23 09:17) 

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