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070208-9 Philadelphiaにて・・・ [研究室]

  空港横の
  
  ホテルで簡単な朝食
  
7日の午後にBostonを出発して、東海岸を南へ飛行機で1時間半、Philadelphiaで行われた学会に行っていました。
  
小規模なカンファレンスだったのでポイントが絞られていて情報を吸収しやすかった。 腫瘍細胞のヘテロ性、癌細胞におけるSomatic mutation の連続的蓄積といった事実から、単一の分子標的薬による癌治療は(一部を除いて)ほぼ不可能という見解。 そこで multi-tyrosine kinase inhibitorの開発が各大手製薬会社の間で主流になっているようだった。 (特異性のあるkinase inhibitorが作れないという事情もある。) 癌細胞が、変異を起こした特定の kinase 群に依存して増殖することから、若干の癌特異性は認められるものの、clinical studyのデータはやはりそれなりの副作用を示している。
引き続き Oncogene Addictionと言われる現象のkey分子 “Achilles heel ” の探索があちこちの研究機関で行われているが、ホルモン依存性癌や、BCR/ABLの単独変異で知られている慢性骨髄性白血病を除いて本当にそういった分子は見つかるのだろうか。

市の中心部とはかなり離れた空港近くのホテルが会場だったので、学会中は町の様子は分からないまま、Philadelphiaの印象は、むしろBostonより寒い! & 超乾燥!


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コメント 3

ヒロン

有意義な学会だったみたいね!お疲れさま^^
しかし一気にkinase活性落としちゃうってなかなか激しいね^^;
帰国したらその領域のお話いろいろ聞かせてね!(Achilles heelって初めて聞いたんだけど、そこらへんもよろしく!)
by ヒロン (2007-02-14 01:14) 

Fumika

帰国したらまたヒロンの研究室にも遊びに行かせてね。 ボスとマイコーは元気^^?
by Fumika (2007-02-15 12:14) 

かつお

初めまして。Gleevecの成功がkinaseをターゲットにした創薬への幻想につながっているかもしれませんね。Iressaとか他の化合物も二匹目のドジョウになりえていないのが残念です。米国ではまだ、kinase inhibitorに力を入れているのでしょうか?

>ホルモン依存性癌やBCR/ABLの単独変異で知られている慢性骨髄性白血病を除いて本当にそういった分子は見つかるのだろうか

僕も賛成です。どちらかというと、p53変異などを除けば細胞のステータスが癌化に向かうのが問題ではないか、と。そうなるとどこを作用点にした薬がよいかとなりますが、癌細胞特異的に発現していて細胞膜に提示されている分子があれば、それをたたくのはどのくらい理屈通りに行くか。Herceptinの後続がでることを祈っています。
by かつお (2007-02-17 01:17) 

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